イップス

イップスは甘えではありません【安心してください】

相談者さん
相談者さん
野球をやっています。
指導者から「暴投するのはお前の実力がないだけだ」「甘えるな!」と言われます。
これは甘えなのでしょうか?
イップスは甘えなのでしょうか?

今回はこのようなお悩みにお答えしていきます。

イップスで思い通りのプレーができずミスした時、

「しっかりしろ!」
「ちゃんと投げろ!」

練習のノックや試合で、こんな言葉を指導者やチームメイトに浴びせられることは多々あると思います。

僕の経験上辛かったのは、ボール回しで暴投を続けてしまい先輩に、

「邪魔だから抜けろよ」
「やる気ないなら抜けろ」

と言われたことは今でも心に強く残っています。

昔の僕
昔の僕
別にやる気ないわけじゃないし、できるなら俺だってやりたいよ…

もちろん先輩なので直接いうことはできませんでしたが、心の中では常にそう感じていました。

「人に言われなくても自分が一番なんとかしたい…でもできない」
「別に甘えた気持ちがあるわけではないのに…」

どこにぶつけていいかわからない思いで苦しいですよね。

  • キャッチボールのたびにボールを投げるのが怖い
  • 同級生からは投げ方を馬鹿にされる
  • 指導者は理解してくれない

今回は、このような状態に悩み、「自分のせい」と自信をなくしてしまっている人はこの記事を読み進める中で変わるきっかけを掴んでもらえればと思います。

  1. イップスは甘えではありません
  2. 自分の体が動かなくなるのはそれだけ真剣な証拠
  3. 落ち込まずに心ない周囲の言葉は聞き流そう
筆者について

現在イップストレーナーとして活動、研究を続けています。

相談に来られるクライアントの方を見ると、みんな一生懸命で真剣に取り組み、悩んでいる方です。

そして元々は高いレベルで活躍していた方が多いです。

そんなクライアントの方を見ていく中で決してイップスになることは甘えではないことを確信しています。

 

そこで今回はイップスは甘えではないことについて解説していきたいと思います。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
今が辛くても必ず乗り越えられるから安心して大丈夫!

イップスは甘えではありません


結論から言うとイップスは決して甘えではありません。

気持ちがわからない人からすれば当たり前のことができない=怠慢と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

そもそもイップスは「しっかり投げろ!甘えるな!」と言われて気をつけたら投げられるようになるほど簡単なものではありません。

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イップスが甘えではない理由

イップスで悩んでいる人の心境としては、甘えどころかむしろ、

  • 「チームのためになんとかしないと」
  • 「自分のミスで迷惑をかけないようにしないと」
  • 「自分が悪いんだ」

と責任を強く感じています。

またイップスになる人ほど、迷惑をかけたくない、心配をかけたくないと感じるので、辛い表情や苦しむ姿をグラウンド上では見せないようにしているかもしれませんが、

グラウンドを離れ、1人になった時に泣いて全てを投げ出したくなるほど辛い思いをしているのです。

決して練習に対して不真面目に取り組んでいるわけではないですし、むしろ自分の体が思い通りに動かなくなるほど悩み、誰よりも真剣に取り組んでいるのです。

それを理解せずに、「甘え」という一言で片付けてしまうのは、本人を苦しめることにつながってしまいます。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
「自分の体が動かなくなるほど真剣に野球やったことあんのかよ!」って言ってやりましょう!

 

イップスは才能 乗り越えて成長するもの


イップスになることには必ず意味があります。

乗り越えることで今よりも精神的・技術的に大きく成長するためのチャンスです。

元々イップスでピッチャーへの返球もできなかった中日ドラゴンズ桂依央利捕手

中日ドラゴンズの桂依央利捕手はピッチャーへの返球がまともにできないほどイップスに苦しんでいました。

2軍の試合中にヤジが飛ぶこともありました。

そんな状態から桂選手はイップスを乗り越え1軍で正捕手争いをするほど活躍するようになりました。

桂はもうダメなんじゃないか――。
そう思ったファンも少なくなかったのはないだろうか。

結局、桂の14年の一軍公式試合出場はゼロに終わっている。プロの壁はめちゃくちゃ厚かったのだ。
しかし、桂は苦難を乗り越えた。
圧巻だったのは11月11日に行われたBCリーグ選抜戦だ。

この日、スタメン捕手として出場した桂は1試合で3つの盗塁を刺し、トドメは最終回。伸び上がるような送球で2塁走者を牽制死させた。

それを見た谷繁監督は「俺の高3の頃のようだ」と冗談めかしながら絶賛。春季キャンプではキャッチボールの相手をまともに務められなかった桂に盛大なカミナリを落とした谷繁監督だったが、その成長ぶりを認めた形となった。

守備が良くなれば、打撃も良くなるのだろう。
土井臨時コーチも桂の打撃の向上にお墨付きを与えている。(以下略)

参考:イップスを乗り越えて――谷繁監督も絶賛した桂の〝復肩〟

160㎞超の速球を武器にドジャースへ入団した元DeNAベイスターズ北方悠誠投手

DeNAベイスターズにドラフト1位で入団しながら、思うような結果が出せずに戦力外を経験した北方悠誠投手は160㎞の速球を投げるほどに復活しました。

3年目のシーズンが明けると、肩の状態は再び後退していた。サイドで投げても球速は130キロがやっと。再びフォームを上に戻してみたが134キロまでしか戻ってこない。

その年、育成枠で入ってきたルーキーに、同じ左腕の砂田毅樹がいた。1年目から「支配下になるだろう」と首脳陣から期待が寄せられていた砂田が力のあるボールを投げるのを見る度に、「自分はこのレベルには届いていない」と弱気になった。

引用元:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58661?page=3

参考:DeNA160キロ超右腕・北方悠誠がドジャース入団会見「プレーで恩返しを」

 

イップスに苦しみながらも乗り越え、活躍する選手も多くいるのです。

昔の僕
昔の僕
もしかすると…イップスはいいことなのかも?

うまくいかないことからマイナスのイメージを持ってしまうことは仕方のないこと。

無理にそれを良いことなのだと思い込む必要はありませんが、悪いことだと思い込む必要もありませんし、事実として悪いことではありません。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
諦めなければ乗り越えられるし、前の自分よりも成長できる!

イップスの経験がない人には理解されないのも事実

しかしながらイップスが理解されずに「甘え」と言われることがあるのも事実です。

イップスの辛さを理解できるのはイップスを経験した人だけです。

何もわからない人からすれば、まともに投げられないのが不思議に思われます。

 

ネットではこんな声も…

正直イップスなんてただの甘えだろ?

そもそも送球フォームがなってないだけ

ただ単に下手なだけ、頭使ってないだけでしょ

自称イップスなんてイップスじゃなくただの甘えですよ

 

また、周囲から厳しい言葉をかけられることに悩む選手も多いです。

 

チームメイトから「投げ方おかしくない?」と言われ気になり全然投げることができません。

周囲からは「もうDHがない軟式じゃ出るところがないね」と言われています

怖いのはお前の実力がないからだ。練習をしてないからだ。と罵られることもありますが、その事実も認めつつそこじゃない部分を知りたいのです。

辛いです

先生から「なんだその投げ方は、前に行くなグランドが荒れる」など、馬鹿にしたような感じで言われます。

「セカンドまで投げれるだろーが」って言われるけど、ピッチャーまでや、塁間が投げれなくてなにもわかってません。

本当にいやです。

 

そういった言葉をかけられることが度々あり、理解してもらえない人に理解してもらうことは現状難しいのも事実です。

昔の僕
昔の僕
ちゃんと投げなきゃいけないのはわかっているけど…

 

乗り越えるには周囲や指導者の理解も必要

選手にとって指導者の方の言葉は絶対的なものです。

時に選手を鼓舞する絶大なパワーを発揮し、時に選手を傷つけるものにもなります。

「イップスを招かないためには、こう指導すべきだ」という結論は出せないのも事実です。

ただ言えるのは

「技術不足だ!」
「そんなの甘えだ!」

このような指導者、チームメイトからの言葉は余計に本人を苦しめてしまいます。

本人は痛いほど自覚しています。

 

指導者が苦しみを理解できないことは、選手にとってある意味プレーの中でミスをすることよりも辛いことです。

イップスに悩む選手は徐々に

  1. 「試合に出るのが怖い」↓
  2. 「ノックに入るのが怖い↓
  3. 「ボールを投げるのが怖い」↓
  4. 「野球をするのが怖い」

と徐々に投げること自体を避けるようになってしまい、最終的には野球が嫌いになってしまいます。

選手としても辛いですが、野球を教える指導者の立場としても教えた選手が野球が嫌いになってしまうことは悲しいことではないでしょうか。

 

参考:雰囲気“激変”の矢野阪神藤浪晋太郎は生き返るのか!? 指揮官「楽しめよ」の真意は

 

まとめ
  • イップスは決して甘えではない
  • 乗り越えることで大きく成長できるもの
  • 周囲の声を気にしすぎないことも大事
  • 辛くなったら相談しよう

 

イップスに悩んでいる時期はとても辛いし、周囲には甘えだと言われるし苦しいことと思いますが、このまま野球を嫌いになりやめてしまう事はもっと辛いです。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
まずは勇気を持って身近な人に相談してみることから始めてみましょう。

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