イップス

イップスと性格の関係性について【実例からみた傾向】

相談者さん
相談者さん
イップスは元々の性格とは関係ありますか?
どんな性格の人がイップスになるのでしょうか?
イップスになる人とならない人の違いはありますか?

今回はこのような質問にお答えします。

今回の内容

イップスと性格の関係は?

イップスになりやすい人・なりにくい人の特徴は?

 

「イップスになるのはメンタルが弱いからだ」

 

イップスに悩まれている選手からの話を聞いていると、いまだにこんな言葉を口にする指導者の方も少なくないようです。

 

そしてその度に

「自分はメンタルが弱いのかな」

「ネガティブな部分があるからそれがいけないのかな」

と悩んでしまう選手も多いようです。

 

これについては僕自身も12年間野球をやってきた中でイップスで悩んできましたが、その度に「自分の性格に問題があるのだろうか?」と考えていました。

 

そこで今回は、イップスと性格の関係性についてお伝えしていきたいと思います。

 

筆者について

現在はイップス認定トレーナーとして研究・活動をしながら、横浜にあるイップス研究所 の河野昭典先生のもとで日々学びを深めています。

その中でイップスに悩み相談に来られる多くの選手の方々のイップスの克服にも関わっています。

その中で今回は、イップスと性格の関係性についてお伝えしていきます。

現在、イップスに悩んでいる方、身近にイップスで悩まれている方がいる方などの参考になればと思います。

 

 

イップスと性格の関係性

イップスと性格の関係性について、結論からいうと、少なからず本人の性格が関係する部分はあります。

 

なぜなら、全く同じ環境の中で、同じ練習、同じ指導を受けてもイップスになる選手とならない選手がいるからです。

 

同じチームにいて全く同じ環境、練習、指導を受けている中でもイップスになる選手とならない選手がいるということは、

幼い頃からの家庭環境や育ってきた環境の中で作ってきた本人の性格や考え方による受け取り方の違いがあるからといえそうです。

 

例えば、同じミスをした時の「何やってんだ!しっかりしろ!」と言うコーチからの言葉に対して、

Aくん
Aくん
次は改善してもっといいプレーをしよう!

と受け取る人いれば、

Bくん
Bくん
次も失敗したらどうしよう・・・やばい・・・

と受け取る人もいます。

同じ言葉でも人によって受け取り方、感じ方は変わるため、このような違いが生まれます。

この違いがあると言う意味では性格による違いは生まれてきます。

 

これには生まれつきの性格というよりも、幼い頃からの生い立ちやその中で身につけてきた観念が大きく関わってきます。

 

また実際に相談に来られた方へその人の性格や心の状態を表す心理分析テストを行ってもらうと、イップスに悩まれている方の多くのケースで「うつ状態」に近い結果が表れます。

イップスになったことによって心が病んでしまうのか、病んでいるからイップスになったのかは人それぞれです。

ですが、少なくともイップスと心の状態は関わっているといえそうです。

イップスになりやすい人の性格

イップスと性格の関係性についてお話ししましたが、実際の相談やカウンセリングの中で、比較的イップスになりやすい人の特徴としては一言でいうと、「思いが強い」人です。

その中でも下記のような性格に当てはまる人がイップスになりやすい傾向にあります。

決して当てはまるから良い・悪いというものではありません。

あくまでこういう傾向があるという参考にしてください。

 

真面目

イップスになる選手には真面目な選手が多い傾向にあります。

 

真面目な人というのは、人の発言や失敗に対して、深く考え込むことが多くなる傾向があります。

 

何事に対しても一生懸命で真面目であるがために、その責任感から

「自分がもっと頑張らないといけない」

「全部自分のせいだ」

などとプレッシャーを感じやすかったり、失敗したことを必要以上に自分が悪いと責めてしまうことがあります。

逆に失敗しても

「まあいいか」

「次しっかりやろう」

と簡単に切り替えられる人はイップスになりにくいです。

 

僕の周りでも、あまり考えずにいい意味でテキトーにプレーしているような選手はイップスとは無縁のように思えました。

昔の僕
昔の僕
自分は悩んでいるのに、テキトーにやっている人はイップスにならなくて「なんでだよ・・・」って思うときありますよね。

 

完璧主義

完璧主義「自分はもっとできるはず」という理想に対する思いが強い人がイップスになりやすい傾向があります。

 

自分が納得のいくハードルが高く「もっとやらなきゃ」という考え方が強いために、うまくいかないことが許せなくなっていき、どんどん自分を追い詰めてしまうことがあります。

しかし、そもそも人にはそれぞれ強みや弱みがあり、どんなことも完璧にこなせるような人は存在しません。

 

またこれには何事も型にはめるという日本人特有の考え方も関わっているものと思います。

海外の国と比べて日本では、礼儀やマナーのように「こうあるべきだ」という考え方が根強くあります。

 

周囲から見ると十分にすごいと思えるような場合にも、本人の中が納得できず、「もっとできる」と、終わりのない理想を追いかけて苦しくなってしまいます。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
「完璧に」「しっかり」「ちゃんと」「普通に」という言葉はイップスになりやすい言葉です!

 

人からの見られ方が気になる

「こんな姿を見せたら恥ずかしい」

「迷惑をかけてしまうんじゃないか」

「もっと認めてもらいたい」

などのように「他人の評価」が気になる人はイップスになりやすい傾向にあります。

例えば、監督やコーチ、先輩にどう思われるかが気になるあまりに本当の自分の気持ちを抑え込んでしまったりすると苦しくなってしまう場合があります。

実際の研究でもイップスの選手は、社会的外向性が強く、いわゆる自意識過剰な傾向にあるという結果が出ています。

単なる緊張だけではなく、他人からの見られ方が気になることからマイナス思考に陥ってしまうことが原因として考えられます。

 

イップスになりやすい人の6つの特徴【実例から見た共通点】 このような疑問にお答えしていきます。 この記事を書いている僕自身も12年間野球をやってきた...

 

イップスになりにくい人っているの?

結論から言うと、イップスは誰にでも起こり得るものであるため、絶対にならないという事はありません。

 

しかしながら、その中でもなりにくいと言える人の特徴もみられます。

普段から言いたいことを言えている人

イップスの語源は子犬が吠える(yipからきています。

これには吐き出すという意味合いも含まれるといいます。

 

子犬が吠えるときというのは、身の危険を感じたり、飼い主に対して何かをアピールするときです。

 

イップスになる人は、この言いたいこと、感じたことをアピールするということができない傾向にあります。

「これを言ったら迷惑かな・・・」

「こんなことを言ったら恥ずかしいんじゃないか・・・」

このように言動に対して考えてしまう人はイップスになりやすい傾向にあります。

 

その点、普段から何も考えずに思ったことを素直に言えている人は、我慢することをしないため、イップスにはなりにくいといえそうです。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
日本人は「我慢することは美しいこと」という教育を受けてきたので悩みごとに対しても一人で抱え込んでしまうことが多いようです。

 

主体的に考えて行動できる人

イップスで悩まれる選手の中には、スポーツや習い事を親や指導者にやらされているケースもあります。

 

カウンセリングで話を聞いていくと、本人はそれほどやりたいと思っていないことがあります。

 

人間誰しも、自分自身がやりたいと思うことに対しては心がワクワクし、体が勝手に動くものですが、やりたいと思っていないことに対しては、体は動きにくいものです。

 

そのため、心から楽しいと感じていたり、自分で考えながら進んで行動できる人は、やらされている選手よりはイップスになりにくいと考えれます。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki

ゲームをしなければいけない、旅行に行かなきゃいけないとは考えませんよね。自分がやりたいことに対しては、心も体も自然に動くものです。

性格よりも考え方・ものの観方

イップスになりやすい人の性格についてお話ししてきましたが、とはいっても急に性格を変える事は難しいですよね。

 

性格というのはその人の元々持つものや、何年、何十年も生きてきた中で作られたものなので簡単には変えられません。

しかし、考え方や捉え方を変える事はできます。

 

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
例えば、イップスは恥ずかしいもの、悪いものと思ったことはありませんか?
相談者さん
相談者さん
あります。「当たり前にできることができなくて恥ずかしい」と思ってしまいます。

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
でも実はイップスになることは才能なんです。
相談者さん
相談者さん
どういうことですか?

 

イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
真面目で責任感が強くて、完璧を求め続けることって悪いことでしょうか?
イップストレーナーNaoki
イップストレーナーNaoki
逆にいうと、自分の体が動かなくなるほど一生懸命にやっていて、それだけの素質を持っているからこそイップスになったんです。
相談者さん
相談者さん
そう考えれば少しだけ考え方が変わる気がします

 

イップスは乗り越えることによって、人間的にも技術的にも大きく成長するチャンスになります。

少しずつ考え方やものの観方を変えることによってイップスと向き合っていきましょう。

 

イップスかもしれないと感じたら

まずは自分だけで悩まずに一度身近で理解のある人や専門の方へと相談してみましょう。

人に話してみること、自分では気づけなかったことに気づけたり、頭の中や気持ちが整理されるものです。