イップス

イップスに悩む選手に指導者がすべきこと【乗り越えるための指導方法】

相談者さん
相談者さん

選手がイップスになるのに指導者は関係しますか?

また、イップスにならない指導はありますか?

もし選手がイップスになった場合、指導者ができることはありますか?

 

今回はこのような疑問に対してお答えしていきます。

本記事の内容

  1. 指導者の影響でイップスになる要因
  2. イップスになった選手への対応

 

こんにちは。

イップス認定トレーナーの柏直樹(@Yips_mental)です。

 

僕は現在横浜にあるイップス研究所でイップスに悩む方のケアを行なっております。

またそれと同時に、日本イップス協会にも加盟しています。

 

日本イップス協会では、多くの指導者の方もおられ、指導者としてのあり方、今後の日本のスポーツ界の指導のあり方などを議論しています。

 

そこで今回は、実例をあげながら、イップスに対する指導者の認識や今後の課題、選手への対応について書いていきます。

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選手のイップスと指導者の関係

 

結論としては、選手がイップスになる要因の中に「指導者の影響」が含まれる場合もあります。

 

実例をあげて解説していきます。

 

指導者がイップスの要因となるケース①

 

1つ目としては。

悪い指導・指導しすぎによって選手自身の感覚がおかしくなってしまうパターンです。

 

例えば、

指導者
指導者
肘が下がっている、もっと上から投げなさい!
選手
選手
はい!(自分ではこっちの方がいいと思うんだけどな…)

指導者
指導者
ちがう!もっと下半身はこうして
選手
選手
はい!(えっと…こうかな?)

指導者
指導者
手首の角度はこうだ!
選手
選手
はい!(えぇ…そんなに意識して投げれない…しかも合わない気がする…)

というようなパターンです。

 

「〇〇しなさい」

感覚が合わない
理解できない
→フォームを崩す
イップス

という悪循環に陥ってしまうケースです。

 

イップストレーナー
イップストレーナー

教えすぎてしまうパターンですね。

 

決して指導者の方も悪気があって教えているわけではなく、選手も一生懸命に指導を受けているので、どちらかに非があるわけではありません。

 

しかし、人間の身体はロボットのように精密ではなく、感覚は人それぞれなので、合わない指導によってもともと持っている選手本人の感覚がわからなくなってしまうこともあります。

 

イップストレーナー
イップストレーナー
実際にプロ野球の世界でも、コーチの一言によるフォーム修正からパフォーマンスが崩れ引退を余儀なくされた選手の例も少なくありません。

 

また同じようなケースで、コーチの

指導者
指導者
あれ?そんな投げ方だったか?

などの何気ない一言から選手が意識してしまうようになり、フォームを崩し感覚がおかしくなったケースもあります。

 

アメリカでは、投球動作のテークバックからトップまでの動きを「ブラックボックス」と呼び、指導者など周りが手をつけてはいけない部分と呼んでいます。

しかし、日本ではテークバックやトップの動作を修正する指導も多くみられるように感じます。

 

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指導者がイップスの要因となるケース②

 

2つ目は、

指導者が与えてしまう精神的な影響によるものです。

 

指導者
指導者
おい!なにやってんだ!しっかりしろ!
選手
選手
ひぇっ…すみません!(次ミスったらさすがにやばい…慎重に慎重に…あれ身体が動かないな…)
指導者
指導者
またミス…選手交代だ!
選手
選手
あ…うぅ…

 

  • ミスをしたらすぐに選手交代
  • 試合で使わない

 

など精神的なプレッシャーを選手に与えることが「失敗してはいけない」という過度なプレッシャーを生み出し、イップスにつながってしまう場合があります。

 

もちろん試合の中ではプレッシャーと闘う場面はあるので、勝つチームをつくるためにプレッシャーを与えることがいけないわけではありませんが、

こうした不安や恐怖心がイップスにつながることがあるのも理解が必要です。

 

選手を苦しめてしまうものとは?

怠慢プレーと思われる

 

イップスに悩む選手にとって辛いのは、決して手を抜いているわけではないのに怠慢プレーを思われてしまうことです。

誰よりも一生懸命やろうとしていて、だからこそイップスになってしまっているのに、指導者から最悪の評価をされることが選手として一番苦しいことです。

昔の僕
昔の僕
一生懸命やっているだけに辛いですよね…

期待されなくなる

 

また選手として期待されなくなってしまうこともイップスに悩む選手にとって辛いことです。

 

選手としてのやりがいの中には、指導者の方に期待してもらえる、頼られるということがあり、だからこそ力を発揮できるという面もあります。

 

イップスになる選手はもともと実力が高かった選手がほとんどなので、今までチームの中心として信頼されてきた選手が多いです。

 

そのため、自分が期待されない現状にいることに落ち込んでしまう場合が多くみられます。

 

イップスにならないための指導とは

技術を教える(teach)から選手を育てる(coach)へ

 

「日本の指導は教えすぎ」とも言われます。

指導者
指導者
あの場面はダメだった、次はこうしろ!

ではなく、

指導者
指導者
何がいけなかったと思う?

と答えを言わずに選手自身に考えさせる、選手に主体性をもたせる教えすぎない指導が求められます。

イップストレーナー
イップストレーナー
答えを教えることはある意味簡単ですが、逆にいえば選手自身の「気づくチャンス」を奪っているともいえます。

 

また常に選手をチェックして指導者側が声をかけるのではなく、選手が疑問を持った時に聞ける状態を作ることが大切ではないかと思います。

 

例えば、先ほどのパターン①の教えすぎの例では、ある意味選手は言われたことをやるだけの受け身の状態です。

そうではなく、選手が「ここどうしたらいいですか?」と聞ける環境であるといいと思います。

 

イップストレーナー
イップストレーナー
自分から聞く場合には主体性があるので身につきやすくなります!

 

失敗した「結果」ではなく、挑戦した「姿勢」を評価する

 

イップスに悩む選手は、指導者の目からみると、失敗してばかりに映るかもしれません。

 

しかし、選手は決して怠慢でやっているわけではなく、失敗しないように一生懸命にやった上でミスをしてしまいます。

 

そういったミスや欠点を指摘してしまうと、選手の自尊心を傷つけ、さらに失敗に対して臆病になってしまいます。

 

選手を失敗させないようにするのではなく、失敗を肯定してあげる姿勢も大切になります。

イップストレーナー
イップストレーナー
また指導者としての言葉の重みを理解することも求められます。

何気ない一言を選手は意外と長い期間、覚えています。

つまり、指導者の言葉が選手の今後の野球人生を左右してしまうこともあるのです。

 

イップスの選手に指導者がしてあげられること

自然に接すること

 

あくまで他の選手と対等に接してあげることが大切です。

 

過度に心配することは、余計に本人を不安にさせてしまう場合があります。

 

また休ませることは大切ですが、「練習しなくていい」などの言葉も、場合によっては「期待されていない」と感じさせてしまう可能性があります。

柏直樹
柏直樹
人間は気持ちが落ち込んでいる時には物事をネガティブに捉えてしまいやすくなります。

 

少し難しいかもしれませんが、自然な対応を心がけながら、休ませる、話を聞くなどは本人の状況に合わせて対応しましょう。

 

得意な部分を伸ばさせる

 

できないところではなく、得意な部分を伸ばすことへと考え方をシフトさせることも、心の余裕へとつながり場合があります。

 

例えば、投げれないことがネックになっていても、それを補えるくらいの打撃力があれば、コンバートや代打などで活躍できる可能性があります。

 

イップストレーナー
イップストレーナー
実際にプロの選手でもイップスに悩みながらも、打撃力を生かし、コンバートなどによって活躍する選手もいます!

 

まとめ

以上をまとめると、

選手のイップスと指導者の関係
  1. 指導者の影響によって選手がイップスになってしまう場合はある
  2. でもそれは指導者も選手も一生懸命だからこそ
  3. イップスに悩む選手の気持ちを理解した指導が大切

 

柏直樹
柏直樹
もし身近に悩んでいる選手がいる場合には相談してください!

柏直樹/イップス認定トレーナー(@Yips_mental

 

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