イップス

イップスを克服するには「目の使い方」が大事【3つの練習方法】

相談者さん
相談者さん
イップスを克服したいです。
克服するために大事なことは何でしょうか?
技術的なことも知りたいです。
もしいい克服方法があれば教えてください。

今回は、このようなご相談にお答えしていきます。

いろんな投げ方を試してみたり、いろんな練習を繰り返してもなかなか思い通りにいかないと辛いし全部を投げ出したくなりますよね…

昔の僕
昔の僕
もうどうしたらいいの…

自分への自信もどんどんなくなっていくし、毎日の練習が恐怖に感じてしまいます。

「少しでも感覚が掴めればいいのに」

「最低限のキャッチボールだけでもまともにできるようになりたい」

そんな思いを抱えながら試行錯誤している人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、技術的な部分でイップスを克服するために大事な「目の使い方」についてお伝えしていきます。

この記事の内容
  • 「目の使い方」で自然な動きを取り戻せる
  • イップス克服に「目の使い方」が関係する理由
  • スポーツにおける目の重要性

筆者について

現在イップス認定トレーナーとして、イップス研究所で活動、研究をしています。

その中でイップスに悩む野球選手の方を多く見てきた中で、自分自身の経験も含め、本来の動きを取り戻すために目の使い方が重要なことを理解しました。

イップスに悩んで「何を意識したらいいんだろう」と立ち止まってしまっている人は参考にしてみてください。

イップスの症状・原因は人それぞれであり、誰にでも共通の克服方法というものはありません。

そのため「こうすれば必ず克服できる!」といったものでなく、その人の状況やこれまでの環境、考え方などを含めたケアが必要になります。

それを踏まえた上で参考にしていただければと思います。

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イップスを克服するには「目の使い方」が大事【3つの練習方法】

目の使い方が大事な理由は自然に体を動かすため

人間の体の構造上、目の動きと体の動きは連動します。

人間にとって目だけを動かして物を見るのはストレスになります。

例えば、

右を向いてください

と言われた時に、目だけ(眼球だけ)を使って右を向くのって疲れますよね。

イップストレーナーNaoki
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目の動きに逆らうことは筋肉や神経に不具合が起こり、血液の循環も悪くなります!

必ず首を動かしたり、上半身を捻ることで、中心で見れる位置に調整しているはずです。

つまり、目の動きに合わせて体は動き、それによって体を楽に自然に動かせるようになるのです。

昔の僕
昔の僕
本当だ!目で見た方向に合わせて体も動きます!

また、バッティングやピッチングなど捻る動作が多い野球において、最も重要なのは、

  • 体を回転させるタイミング
  • 重心を移動させるタイミング
  • 力を入れるタイミング

などの「タイミング」です。

自分の本来の力を発揮できる自然な動き、タイミングを掴むために「目の使い方」を意識するといいです。

イップストレーナーNaoki
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それでは実際に練習方法を紹介します!

目の使い方を意識した練習方法

①左目から右目に切り替える

投げるときに目を切り替えることで自然な体の動きで投げることができます。

右投げのピッチャーの場合…

  1. 初めから両目でキャッチャーを見ないで
  2. 左足をあげて回転動作に入る時に左目で見る時間を長くする
  3. リリースに入るタイミングで右目に切り替える

ダルビッシュ投手のフォームで見ると、

イップストレーナーNaoki
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左目から…
イップストレーナーNaoki
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右目!

右ピッチャーは無意識に左目7割、右目3で見ていると言われます。

しかし、

「ストライクを投げよう」
「ミスをしてはいけない」
「暴投しないように」

など緊張すると無意識に相手をみようとして正面を向くことがあります。

そうすると体の開きが早くなってしまいます。

体が開きバランスが崩れた状態で投げようとすると、無意識に腕や指に力が入ったり、手首やスナップで調整しようとするなど不自然な動きが生まれやすくなります。

しかし、左目で見る時間を長くすることで体の開きが抑えやすくなります。

キャッチャーにイップスになる選手が多いのは、正面を向いて投げる機会が多いからです。

ピッチャーへの返球で常に両目で相手を見た状態で投げること潜在意識でフォームが覚えてしまい癖になりやすいのです。

②一度目を切る

ずっと相手(正面)を向くのではなく一度視線を外し目を切り楽な状態を作ることで、力が入らずに自然なフォームで投げやすくなります。

ずっと相手を見ずに一度目を切ることで

  • 肩の力の入り方
  • 背骨の曲がり方
  • 重心の安定しやすさ

など体への力の入り方が大きく変わる

イップストレーナーNaoki
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千賀投手などの投げ方を見ても投球動作の中で一度三塁側を見るように一度目を切っているのがわかります!

またこれは実際にプロの選手でも多くの選手がコントロールを改善するために使っている方法でもあります。

野手の場合一瞬の動きの中ではありますが、ボールを捕ってすぐに一塁を向くのではなく一瞬目を切って投げることで安定しやすくなります。

③「利き目」を理解して利き目に合わせた体の使い方をする

利き目の使い方がプレーを大きく左右するとも言われます。

例えば…

右ピッチャーで利き目が左目の場合

利き目が前(キャッチャー側)にある
=利き目が近いので見やすい

右ピッチャーで効き目が右目の場合

利き目が後ろにある
=利き目で見やすくするために体が早く開きやすくなる

イップストレーナーNaoki
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バッターの場合も同じで利き目が右目の人は左打ちの方が見やすいと言われます!

以前、ある左バッターがレフト方向へ広角に打てるように練習を重ねたことがありました。

しかし、その練習によって利き目が右目から左目に変わってしまったことに気づいていませんでした。

すると、どんなに頑張ってもライト方向へ引っ張れなくなり、レフト方向にしか打てなくなってしまいました。

私は、その選手に次のようなトレーニングを提案しました。

左目に絆創膏を貼ってバットを振る練習です。

それをしばらく続けさせたのです。結果、試合の最後にホームランが出ました。

引用:『メンタルによる運動障害「イップス」かもしれないと思ったらまず読む本』イップス研究所所長 河野昭典

昔の僕
昔の僕
利き目の使い方が変わるだけでもプレーは変わるんですね…

また、自分の利き目に合わせた体の動きをするために帽子を利用するピッチャーもいます。

よく帽子を斜めに被っているピッチャーを見たことがありませんか?

あれは自分の利き目に合わせて目の使い方を決めるための目印として使っているのです。

昔の僕
昔の僕
かっこつけているだけだと思っていました

イップストレーナーNaoki
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全員がそうとは限らないのでただカッコつけているだけの人もいるかもしれません笑

利き目を確かめる方法

  1. 目標物に合わせて両目で見る
  2. 片目ずつ左右の目で交互に目標物を見る
  3. ズレが少ない方が効き目

イップストレーナーNaoki
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自分の利き目を確かめてイップス克服につなげましょう!

目のトレーニングへの注目度は高まっている

目からの情報は8089と言われ全ては目から始まっており、目が体を動かしています。

実際に五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の中で一番スポーツに影響するのが視覚です。

視覚がないとそもそもスポーツを成り立たせることすら難しいです。

もし野球の試合中、目をつぶっていたら…

  • 投げるときにどこに投げればいいのかわからない
  • 打者も来るボールがわからない
  • 野手もボールが飛んできても取れない

イップストレーナーNaoki
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全く試合になりません…

また、最近ではスポーツにおける目の重要性が広まり、トレーニングを取り入れる選手も増えてきました。

活躍している選手ほど目の能力が高い

こちらの図は、あるプロ野球チームが入団時にスポーツビジョン能力(見る力)の測定をした結果と入団後の活躍を比較したものです。

引用元:石垣尚男,石橋秀幸:プロ野球某球団における入団時のスポーツビジョン能力とその競技成績の関係,体力科学,Vol.45No.6,p885(1996.12
参考:スポーツビジョンを鍛えろ!スポーツにおける眼の役割と重要性
http://healthlab-sports.com/archives/1193

イップストレーナーNaoki
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スポーツビジョンの点数、つまり見る力がある選手ほどスタメンで活躍していることがわかります!

日本ハムの近藤健介選手や巨人の選手もビジョントレーニングを取り入れている

ちなみに近藤選手は201969日現在でパリーグトップの四球数を記録しており選球眼の良さが際立っています。

参考:近藤健介は前例のない変身を遂げようとしている
http://www.baseball-lab.jp/column/entry/321/



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まとめ
  1. 目の使い方は自然な動きを取り戻しイップスを克服するために重要
  2. 目の切り替えや目を切るタイミングを試してみよう
  3. 利き目を理解して利き目に合った動きを覚えよう
  4. 目のトレーニングをすることで選手としてもレベルアップできる

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